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ペタンクやって何なのさッ!?

目次

「ビタ止め」しちゃう!? ペタンクは誰でも気軽に楽しめるスポーツ

外の空気が気持ちいい! ボールが青空に映えます

ハジメ編集長(以下、パパ):行くぞ~! えいッ!

ケンちゃん(以下、ケン):急にどうしたの?

パパ:いやね。パパのビタ止めがどうしても見たいって、ペタンクに誘われたんだよ。

ケン:何それ・・。そんな誘い方ある?

ハンドリー先生(以下、ハン):ビタ止めと言えば、東京パラリンピックで日本代表が活躍したボッチャを思い出すワン!

ケン:解説者の方が個性的だったよね。「ビタビタのビタ止めです!」って(笑) 

パパ:ふふ・・。パパのビタ止めは競技を選ばないんだ。ペタンクでもボッチャでもかかってきなさい!

ケン:それは良いとして、パパはペタンクとボッチャの違いは知っているの?

パパ:あ、え~と・・、ペタンクとボッチャの違い・・何だろ??

ケン:パパはどうやら知らないみたいだね。それではハンドリー先生、ペタンクとボッチャの違いを教えてください!

ハン:ペタンクとボッチャは、ボール、投げ方、競技場等ほとんど別物の競技なんだワン!

パパ:そんなに違うの? 「野球」と「ベースボール」みたいに、呼び方が違うだけかと思ってた・・。

ハン:それは誤解だワン! 付け加えると、ペタンクはフランス生まれのスポーツで、ボッチャはペタンクを参考にして、イタリアで生まれたスポーツなんだワン!

パパ:ルールも生まれた国も違うのに、紛らわしいのはなんでだろ?

ケン:それではこの方に詳しく解説をしていただきましょう。信州上田ペタンククラブ代表で、国際ペタンク指導協会認定国際指導員の松本義之さんです。

ハン:お願いしますだワン!

松本義之(以下、松本):ケンちゃん、ハンドリー先生こんにちは!

パパ:あ、あの・・ワタクシは?

松本:ケンちゃんたちは二つの競技の違いを知っているなんてすごいね。さすが、ケンちゃんは上品なおボッチャんなだけあるね!

ケン:しーん・・。

松本:話を進めようかな(笑) まずはペタンクの成り立ちについて説明すると、実はスポールブールという競技が起源とされているんだ。

パパ:スポールブール?

ペタンクの誕生にスポールブールあり!?

松本:スポールブールは知らないかな? スポールブールはヨーロッパ、とりわけフランスやイタリアで人気のあるスポーツだよ。

パパ:へ~。

松本:スポールブールはフランス語なんだけど、スポールがスポーツ。ブールはボールで、ボールを使ったスポーツって言う意味だよ。わかりやすいでしょ? 的玉(ビュット)に金属製のボール(ブール)を近づけたり、弾いたりするからペタンクと似ていると言えるかな

ケン:そうなんだぁ。

松本:ボールを的玉に近づけること自体は原始的な発想と考えられていて、古代エジプトや古代ギリシャの文献にスポールブールの原型が記されている。スポールブールの起源は約5000年前まで遡ることができると言われているんだ。

パパ:5000年前のスポーツ!? すごいね!

松本:当時は研磨した石を的玉に当てたみたいだね。

パパ:なるほどぉ。

松本:近代に入っても、スポールブールは市民の間で根強い人気があって、1850年にフランスでスポールブール初のクラブ組織が設立された。その後、スポールブールをベースに1907年にペタンクが考案されたと言われているよ。

スポールブールとペタンクの違いってなに!?

アンダースローでボールを放つ!

松本:代表的な例を言うと、スポールブールはボウリングのように助走をしてボールを投げるけど、ペタンクは立ち止まったまま足をそろえて投げるんだよ。

パパ:なるほどぉ。

松本:そもそもペタンクという名前は、南フランス・プロヴァンスの方言「ピエ・タンケ(両足を揃えて)」が由来とされているんだ。

パパ:「ピエ・タンケ」が変化してペタンクになったんだね。競技の名前が「両足を揃えて」だなんておもしろい(笑) 例えば、ベースボールが日本に伝わった時に「枠の中で両足を広げて立つ」って訳されても、誰も野球って連想できないよね(笑)

ケン:確かに。でも、野球もよく考えたら「野原」の「球」だよ?

パパ:うぅ・・(汗)

松本:まぁまぁ、あまり深く考えずに(笑)

ペタンクとボッチャの違いも教えて!

チームごとに、柄の違うボールを使います

松本:じゃあ、本題のペタンクとボッチャの違いを解説するよ。

ケン:お願いします!

松本:ハンドリー先生は、ボール、投げ方、競技場などがすべて違うと言ってたけど、実は一番大事な要素は共通しているんだ。

パパ:と、言うと?

松本:ペタンク、ボッチャともに的玉に自分の球をいかに寄せるかを競うんだ。得点のイメージは、冬季スポーツのカーリングを想像してもらえればいいかも知れない。的玉から一番近い相手のボールよりも、その内側に自分のボールが何個あるかで得点が決まる。

パパ:ふむふむ。

松本:ボールにも特徴がある。ペタンクは鉄球で、ボッチャは合成皮革製の中にプラスチックの粒がたくさん入っているよ。投げ方は、ペタンクはアンダースローが基本だけど、ボッチャはどんな投げ方をしてもいいし、蹴っても、補助器具を使ってもいいだ。

ケン:そうなんだぁ。

松本:最後に競技場だけど、ボッチャが体育館で行うのに対して、ペタンクは学校の校庭みたいな地面が適している。ペタンクは鉄球だから、体育館や舗装された道路でやると傷つけちゃうし、それにどこまでも転がっちゃうからね(笑)

ハン:それは困るワン!

松本:本当だね(笑) 

パパ:他に共通していることはないの?

松本:ペタンクとボッチャの共通している点は、老若男女誰でも気軽に楽しめる点だけど、東京パラリンピックでのボッチャ日本代表の活躍は記憶に新しいよね。ボッチャは脳性麻痺の障がいを持つ方でもできるスポーツとして注目を浴びている。

ケン:今後の活躍も要チェックだね!

画面中央の小さな的玉にボールを寄せる! 全員が投げ終わったら得点計算

小学生でも大人に勝てちゃうの・・!?

コロナ禍になる前のペタンク大会の様子 

松本:ペタンクは的玉に球を寄せるってすごくシンプルなゲームだよね。実は、ペタンクはベテランと素人の差があまり出にくいスポーツとしても知られている。実際、真剣勝負の試合で、大人のチームが小学生のチームに負けるなんてこともあるんだ。

パパ:それって、松本さんのこと?

松本:ドキッ! い、いや私のことじゃないんだけどね・・。

パパ:怪しいなぁ(笑)

ケン:ペタンク楽しそう! ボクたちもやってみたいなぁ。

パパ:よし! じゃあ今日から特訓して大会に備えようか! これから鼻をかんだティッシュは、足を揃えてアンダースローでゴミ箱に入れることにしよう!

ケン:あのね・・

パパ:し~ん・・

松本:まぁまぁ、お手柔らに(笑) ペタンクに興味をお持ちの方は「信州上田ペタンククラブ」のFacebookをチェックしてくださいね。

私達と一緒に、さわやかな汗を流しましょう!

パパ:はい! 早速チェックして連絡します!!

ケン:目の前にいるんだから、直接言ったら・・? (完)